その怪我、そのまま放っておいても大丈夫??

捻挫、打撲、挫傷は軟部組織損傷ですが、これらは骨折と比べて軽く見られがちです。

筋肉、靭帯、腱は骨と違い、再生力が弱いのをご存じですか?

皮膚や骨は損傷しても再生力が旺盛な為、同じ組織で修復されます。しかし、筋肉、靭帯、腱は同じ組織ではなく、膠原繊維で損傷部分を埋めるように修復されるため、シコリになってしまうこともあるわけです。また、断裂したまま修復が終わることもあります。

 

例えば、子供のころ捻挫してそのままにしていたところ、青年になり、運動を一生懸命やりたいけれど、捻挫しやすく困っていると来院される方がいます。そんな時、多く見られるのが靭帯断裂による関節の不安定性によるものや、適切なリハビリを行わなかったことによる可動性の悪さです。そしてそれが高齢になると変形性関節症を惹起し、一生足を引きずる生活をしいられるリスクもあります。それらを防ぐためには、捻挫だからと軽く見ないで適切に治すことが大切です。

 

当院ではそうしたリスクを念頭に置き、小さな怪我にもしっかりと適切に対応させていただきます。

ここでは代表的な症例をピックアップし、どのような損傷なのか、どういった処置や経緯をたどるのかご紹介させていただくページとなっておりますので、是非ご覧になってみてください

足関節周囲の損傷

足関節捻挫(ATFLⅡ度損傷)

左の画像は右の健側(怪我をしていない側)の超音波画像です。

超音波で足首を観察すると骨は輝度の高い線状高エコーとして描出され、靭帯は層状の線状高エコー(Fibrillar pattern)として描出されます

健側と患側の2画面です

向かって左側が健側、向かって右側が患側の描出画像です

患側において靱帯線維は損傷により層状の線状高エコーが消失しています。静止像でははっきりとした損傷程度は分かりませんが、ストレステストをすることにより骨の動揺を調べ、靭帯損傷の程度を把握します

 

靭帯損傷は程度によって

 

Ⅰ度:軽度な靭帯損傷で動揺なし

Ⅱ度:靭帯部分断裂 動揺有

Ⅲ度:靭帯完全断裂 動揺有

に分類することが出来ます。

 

今回の損傷は完全断裂はしていないものの、靱帯の動揺性が認められたのでⅡ度損傷と判断します。腫脹とともに歩行時痛が強い状況の為U字キャストにて固定を行いました。腫脹や疼痛が軽減し、靭帯が安定してくるとなるべく早期に固定を外すことを検討します

近年靭帯損傷はある程度刺激が入るほうが治癒が促進されるといわれますが、患者様の生活環境や運動習慣等に合わせて固定方法等も臨機応変に変化させ、なるべく痛みが出ないよう治療管理をおこないます

 

 

 

小児腓骨下端部裂離骨折

小児における腓骨下端部の裂離骨折です

視診や触診では、骨折部の詳細を判断することが出来ませんが、超音波観察をすることにより腓骨下端部の軟骨組織に高輝度の骨折を観察することが出来ます

小児の場合、ご家族は捻挫だと思い、超音波で観察すると骨の損傷があったということがしばしばあります。

 

今回は靭帯動揺もあり、活発な子で安静が難しいという環境もあったのでギブスで固定いたしました。

子供の場合安静が困難な場合も多く、関節拘縮も起きづらい為、最初からギブス固定をするケースは靭帯修復予後が良いです(固定肢位には細心の注意を払います)

 

エコーで靭帯を確認しながら、2週間後には動揺が改善されたので、2週間でギブス除去をおこないました

 

topics

これまでは怪我をした、スポーツ外傷に遭遇した際、「RICE処置」を行うということが医療やスポーツ現場でも当たり前とされてきました

 

しかし、スポーツ医学が発達してきている近年では左表の「PEACE&LOVE」が損傷の急性期・亜急性期、回復期のケアとしてグローバルスタンダードに転換してきています。具体的には、

 

P(Protection)保護

E(Elevation)挙上

A(Avold anti-inflammatories)抗炎症薬を避ける

C(Compression)圧迫

E(Education)教育 最適の対処法を考え、不必要な受動的療法を避ける

L(Load)負荷 徐々に負荷を上げる

O(Optimism)楽観思考 前向きな考え方をする

V(Vascularisation)血流を増やす 有酸素運動を取り入れる

E(Exercise)運動 筋力、自己受容性感覚、身体を動かしていく

 

これはランニングクリニックのデュボイ先生が提唱したもので、急性期の対処だけではなく、回復期・リハビリ期についても言及していることが特徴です

 

このように、怪我や外傷に対する知見というのは日々深まっておりますが、

怪我に対しての向き合い方は個人個人で意識の格差が大きく、一般的にも画一化されていないのが現状です

例えば、患者さんの中には長い間膝のサポーターをつけっ放しにしてしまったり、痛みを抱えてずっと安静を続けてしまう方も少なくありません。しかし、怪我や痛みの正しい処置、回復期におけるフォロー等を理解し、行うことが出来れば、痛みや損傷がずっと続いてしまうというリスクを軽減させることが出来ます。

 

正しい知識や意識を持つことが今後のライフハックにもなります。

佐藤代田整骨院では最先端の知識を日々ブラシュアップしております。痛みのこと、身体の気になることがあればお気軽にご相談くださいね。